開運女子旅.com番外編、和歌山パワースポット巡りの旅を楽しんできました。
近畿地方は大阪・京都・神戸しか旅したことがなかった管理人がパワースポットを求めて真言密教の聖地・高野山と日本の観光旅行文化発祥の地・熊野をめぐります。
このページではまず「高野山の旅行記」を綴っています。
高野山とは
高野山はいまからおよそ1200年以上前に唐の国で学び帰国した弘法大師(空海)が根本道場を築いた真言密教の聖地。標高約900mの山上の盆地に2大聖地と総本山、117か所に及ぶ寺院を有する宗教都市が広がり、世界中から観光客が訪れています。また2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」として熊野三山・吉野大峯とともに世界文化遺産にも登録され、2019年には15周年を迎えています。
今回は東京・羽田から関西空港までフライトし、関空でレンタカーを借りて高野山・熊野三山をめぐるドライブを楽しむことに。
旅に出たのは8月下旬。高野山の夏祭りといえばろうそく祭りが有名ですがちょっと一足遅かった!そのぶん、人ごみに揉まれることなくしっかりとお参りすることができました。
🔥ろうそく祭り
10万本のろうそくが灯る幻想的な夜のお祭り
毎年8月13日:午後7時から8時半まで
@奥の院参道、灯籠堂にて
高野山 壇上伽藍
関空からのドライブは波乱に満ちていました。レンタカーのカーナビがイマイチな働きぶりでちょうど大阪と和歌山の県境あたり、国道480号線を走っているつもりがなぜか鍋谷峠の旧道に迷い込み、まるで「ポツンと一軒家」を体感しているような車体がギリギリ通れる崖っぷちの「酷道」を走ること約2時間。行ったり来たりを繰り返してようやく高野山の入り口「大門」に到達したときにはホッとしたものです。
どうやら新しいトンネルが出来ていたらしいのですがカーナビがアップデートされてなかった??その酷道ぶりはYouTubeで確認することができるので、興味があれば「父鬼街道」で検索してみてください。
恐怖のドライブから「生還」した気分で到着した壇上伽藍は高野山で最初に開かれた聖地。「伽藍」とはサンスクリット語「サンガ・アーラーマー」という言葉が由来で、「僧侶が集い修行をする清浄な場所」という意味だそう。唐から帰国した弘法大師が嵯峨天皇より高野山を賜り、開創に着手。真言密教を日本に広めるための根本道場が建造されたのがこの壇上伽藍。
高野山 壇上伽藍 中門
壇上伽藍には見どころがあまたありますが、まずは2015年に落慶法要が行われた中門の鮮やかで立派なたたずまいに驚きます。落慶法要とは寺院の建物の新築落成・再建落成のことを指します。1843年・天保14年の大火でほとんどが焼けてしまった壇上伽藍で、唯一磁石のみ残されて再建されていなかった中門が高野山開創1200年を記念して172年ぶりに再建されました。
壇上伽藍 六角経蔵(ろっかくきょうぞう)
取っ手を押して一回りすると読経した功徳が得られるという。
壇上伽藍 御社(みやしろ)
弘法大師が丹生明神と高野明神を勧請して高野山の守護神として祀ったのがはじまり。本殿前の狛犬は弘法大師を導いた狩場明神の黒白二匹の犬、ともいわれている。
壇上伽藍 西塔
根本大塔と対をなす重要な多宝塔。本尊の大日如来像は霊宝館に収蔵。
壇上伽藍 御影堂(みえいどう)
弘法大師の持仏堂だったといわれ、のちにお大師さまのお姿を描いた御影が祭られこの名で呼ばれるようになった。
壇上伽藍 三鈷の松
弘法大師が日本で密教を広める聖地を占って、唐から法具の三鈷杵(さんこしょ)を投げたところこの松の枝にかかっていたという伝説がある。
壇上伽藍 根本大塔
弘法大師と弟子の真然大徳によって創建された日本で最初に建立された多宝塔。堂内には金色に輝く仏像と極彩色の仏画が安置され、曼荼羅世界を立体的に表現しているという。外観も美しいのですがこの日は外装メンテ中でした。
壇上伽藍 大塔の鐘
1547年・天文16年に改鋳された鐘は直径2.2m、重量およそ6tあり当時は国内4番目の大きさだったことから高野四郎と呼ばれている。
壇上伽藍 不動堂
1198年・建久9年に創建された鎌倉時代の和様建築。貴族の邸宅を思わせる美しい外観。国宝に指定されている。
壇上伽藍 東塔
1127年・大治2年に白河上皇により創建。1843年・天保14年に焼失してしまうが1984年・昭和59年に弘法大師入定1150年を記念して再建された。
壇上伽藍 蛇腹道
東塔前から金剛峯寺へ向かう小道で、弘法大師が高野山の地形を東西に横たわる龍になぞらえこの名がついた。
壇上伽藍では年間を通して根本大塔・大塔の鐘・蛇腹道が夜間ライトアップされています。紅葉の時期には蛇腹道の楓が美しいと評判。点灯時間は日没から夜明けまで。
旅行当時は知らなかったためレンタカーでスルー…。
高野山 金剛峯寺
壇上伽藍からおよそ徒歩3分で金剛峯寺へ。レンタカー移動のわれわれはちょこまかと車で移動していましたが、無料の駐車場はあります。閑散期であれば駐車はいくらでもできるでしょう。
金剛峯寺とは高野山真言宗の総本山であり、高野山内にある117か所の寺社の総本山でもあります。見どころは檜皮葺(ひわだ)の屋根が美しい主殿と花鳥が描かれた桃山様式の美しいふすま、1984年・昭和59年に造園された国内最大級の石庭・蟠龍庭(ばんりゅうてい)を持つ別殿です。
高野山 金剛峯寺 正門
1593年・禄2年に創建された金剛峯寺ではもっとも古い建物。格式が高く、かつては皇族や高野山の重職のみが出入りを許可されたという。現在でも一般の僧侶は正門・右手にある小さなくぐり戸を使って出入りする。
金剛峯寺 主殿
もとは豊臣秀吉が亡き母の菩提を弔った「青厳寺」だった建物。弘法大師坐像と歴代座主の位牌を祭っている。
金剛峯寺 別殿
1934年・昭和9年に建造された桃山様式の建物。守屋多々志画伯による弘法大師の草創の風景と開創の場面がふすま絵に描かれている。
金剛峯寺 別殿 蟠龍庭
2340㎡の広さを誇る日本最大級の石庭。白川砂と花崗岩で雲海の中にいる雌雄の龍が奥殿を守る様子を表現している。
金剛峯寺 新別殿
新別殿では、3月~11月に僧侶による法話が開催され、お茶とお茶菓子のお接待を受けながら法話を聞くことができる。
このお菓子「武蔵」は主殿内売店で購入することができる。和三盆のほのかな甘みの優しい味わいの麩菓子。
金剛峯寺 台所
かつては大人数の僧侶の食事を賄った場所。大きなかまどや煙突が残されており、和歌山県の文化財に指定されている。別殿の美しいふすま絵や石庭にも感嘆しますが、当時の炊事の様子をリアルに感じられる台所とそのスケールには圧倒的な感動を覚えました。
高野山 奥の院
金剛峯寺から一の橋までへレンタカーで移動。高野山の門前町は歩けば精進料理を楽しんだり、お土産物を選んだり、1日ゆったりと女子旅しても楽しみが多いはず。しかしながら今回は3泊4日で和歌山の観光スポットを総なめ!という強行スケジュールのため時短。金剛峯寺から奥の院へは徒歩で1時間弱ですから、余裕があればぶらぶらとおしゃべりしながら旅するのがおすすめです。
奥の院とは弘法大師の御廟を祀る聖地。835年・和2年3月21日に永遠の禅定に入られたお大師様が今も生きて人々を見守っているという信仰があります。
高野山 奥の院 参道
奥の院参道の入り口、一の橋からお参りスタート。この参道沿いには二十万基ともいわれる供養塔が並びます。中には企業のユニークなカタチの供養塔も。が、とても厳かな空気。ここから先は橋の手前で一礼する、にぎやかなおしゃべりは慎む、という習わしがあります。
奥の院 一番石
二代将軍徳川秀忠の奥方・崇源院(お江)の供養塔。奥の院最大の供養塔で高さは6.6m。
奥の院 化粧地蔵
参道を歩いているとべったりとお化粧を施されているお地蔵さまが。管理人も頬紅をぬってみました。
奥の院 織田信長供養塔
本能寺の変で倒れた織田信長の供養塔。長らく不明だったものの、御廟橋の近くにあることが判明したそう。
奥の院 水向地蔵
玉川のほとりに並ぶお地蔵さま・観音さま・お不動さま。
奥の院 御廟橋
禊の場として寒中水泳が行われることもある玉川に架かる橋。この先は弘法大師の御廟を礼拝する燈籠堂へと続く。ここから先は撮影も禁止。おしゃべりも禁止。橋の手前で一礼をして奥の院へと向かいます。
奥の院 燈籠堂
真然大徳が創建し、のちに藤原道長が現在の規模に建立。堂内には2万基以上の献灯が輝き正面には1000年以上燃え続けているという「消えずの火」が奉納されている。
レンタカーで移動した管理人一行は大門から奥の院までの所要時間約2時間半。やはり門前町をゆっくり歩けなかったことが悔やまれます。高野山には再び訪れよう!と誓い今夜の宿・龍神温泉へ向かいます。
高野山から龍神温泉へ
翌日の熊野三山めぐりに備え、管理人一行は龍神スカイラインにて美人の湯で知られる龍神温泉へ南下。「龍神温泉 季楽里龍神」に宿泊しました。ここはちょうど和歌山県の中部に位置し、高野山と熊野三山観光をするならば便利な中継地点となります。
龍神温泉 季楽里龍神
「日本三美人の湯」として知られる龍神温泉は、弘法大師が難陀龍王の夢のお告げによって1300年前に開いたところからこの名がつけられた。
〒645-0525
和歌山県田辺市龍神村龍神189
TEL:0739-79-0331
【公式サイト】https://kirari-ryujin.com/
高野山のお土産
高野山・奥の院にて、二十数年来、お大師さまを守り続けた奥の院・御廟の屋根に使われた檜皮が入ったお守りを授かりました。お大師さまのご加護により無病息災・延命長寿が授かれるという事です。お大師さま作の性霊集(しょうりょうしゅう)によれば、「自然界に生を受けたものは人間、動植物に関係なくすべてが仏様であり、皆がともに生命を育むことが大切」とおっしゃっています。
高野山で楽しめるおすすめイベント
🔥お逮夜ナイトウォーク
毎月20日の「お逮夜(おたいや)」に行われる地元主催の無料ツアー。お大師さまが入定された3月21日にちなみ、前夜の20日に一の橋から御廟まで約2㎞の奥の院参道を歩いて弘法大師御廟を参拝する。予約不要で当日集合場所にて受付。
高野山観光協会主催
TEL:0736-56-2468
集合場所:高野山一の橋表参道入口、高野山宿坊協会一の橋案内所前
開催日時:毎月20日19時出発
🔥奥の院ナイトツアー
高野山在住・金剛峯寺境内案内人の資格を持つお坊さんガイドと夜の奥の院参道を歩く有料ツアー。弘法大師と真言密教、墓碑の説明やお坊さんの生活などのお話を聞きながら案内してくれる。20日以外は毎夜行われるが事前予約が必要。
高野山奥の院ナイトツアー主催
TEL:090-2106-1146
集合場所:恵光院
参加費:2,000円
開催日時:19時集合・19時15分出発、解散20時30分(毎月20日は開催なし)
【公式サイト】 https://www.night.koyasan-okunoin.com/
*料金は2019年9月現在のもの
高野山へのアクセス
空路にて高野山を目指すなら関西空港からのアクセスが便利です。
電車🚋
■関西空港駅から南海電鉄<特級ラピート号>にて天下茶屋駅下車、特級こうや号で極楽橋駅へ。極楽橋駅からはケーブルカーに乗って高野山駅まで約2時間15分。3,080円。
関空からは南海電鉄の特急を乗り継いで行くこともできるので便利。
■伊丹空港からも同じくらいの所要時間でアクセスできます。空港リムジンバスでなんばへ向かい、南海難波駅から特急こうや号に乗車。極楽橋駅にて下車、同じくケーブルカーで高野山駅に到着。所要時間2時間15分。2,680円。
■車窓風景を楽しみたいなら南海橋本駅~極楽橋駅間を走る「天空」がおすすめ。要事前予約。季節によって運航ダイヤがかわるので要事前確認。
天空予約センター
TEL:0120-151519
受付時間:9~17時
乗車希望日の10日前から前日までに要予約
*料金は2019年9月現在のもの
車🚙
京奈和自動車のかつらぎインターから国道(酷道)480号を走る。山道なので要注意。冬季は積雪や凍結によるチェーン規制があるので要事前確認・要注意。
今回我々一行は関西空港駅からトヨタレンタカーを3泊4日でリースし、高野山・熊野三山・白浜などの観光スポットをめぐりました。
費用はトータル¥45,576。ハイブリッドカーを借りたので道中の給油は返却前の1度だけ。給油したガソリン代は¥3,594でした。
*料金は2019年9月現在のもの
高野山内のアクセス
バス🚌
高野山駅から山中の中心部へはバスで移動することもできます。
>高野山駅から金剛峯寺 12分
>高野山駅から大門 16分
>高野山駅から奥の院 18分、プラス徒歩20分
■高野山・世界遺産きっぷ(2日間有効)
南海電鉄の難波駅、堺駅、和歌山市駅、関西空港駅などから高野山駅までの割引往復乗車券、南海りんかいバスの高野山内2日間フリー乗車券などがセットになったお得なきっぷがあります。旅行スケジュールに合わせて有効活用するとよいでしょう。
難波駅から2,860円、往路片道特急券付きは3,400円。
難波駅、関西空港駅など南海電鉄の主な駅で発売。
*料金は2019年9月現在のもの
レンタサイクル🚲
高野山内にはレンタサイクルもあります。意外に平坦な道が多いので天気がいい日、体力に自信のある方にはおすすめです。
高野山宿坊協会・中央案内所
TEL:0736-56-2616
利用時間:8時30分~17時(受付は16時30分まで)
料金:1時間400円、30分ごとに100円加算
*料金は2019年9月現在のもの
コインロッカー👜
高野山内では、高野山宿坊協会の中央案内所にコインロッカーの設置があります。
また南海高野山駅にはコインロッカーのほか、荷物預かり所もあります。(有料1日500円)
*料金は2019年9月現在のもの
高野山 御朱印
高野山では約200種類もの御朱印が授かれるといわれています。こちらの「御朱印で歩く高野山・地球の歩き方御朱印シリーズ」に詳しくまとめられています。
高野山 宿坊
宿坊とは寺院に宿泊して朝の勤行や精進料理を体験できる施設。現在高野山では52もの寺院が宿坊として利用できるそうです。こちらの公式ガイドブックには予約の取り方やマナーなどが詳しく紹介されています。
チーム・開運女子旅.comの和歌山パワースポットめぐりの旅は、この後、熊野三山編へと続きます。(近日アップ予定)
高野山は信心深くないと楽しめないのでは?という先入観を持っていた管理人にとって、意外や意外、お大師さまゆかりの地と荘厳な建築物・古美術品と気さくに触れ合える愉快な旅となりました。
門前町や宿坊など未体験も多々ありますが、きっとお大師さまが「また来なさいよ」と仰っているに違いありません。楽しみはとっておかなきゃ。
ここまでお読みくださってありがとうございました!
近日アップ予定、開運女子旅.com ~熊野三山編もぜひご一読ください。
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