京都、三日目。
今日は京都の北東部、鞍馬・貴船を巡ります。テーマはライトに『森林浴』♬
正直こんなプランを立てたものの、疲労MAXで鞍馬はスキップしようかと考えました。でもほんの少し足を伸ばせばいい…自分にムチ打って鞍馬山へGo!
鞍馬 宇宙と繋がる最強パワースポット金剛床
9時過ぎには京都・八条口前のホテルをチェックアウト、烏丸線で北上、烏丸北大路からバスに乗り換え一路鞍馬へ。電車で鞍馬へ向かえばいいのでは?ちらちらと考えながらグーグルマップの経路検索の通り、進みます。
どうやら7月初旬の豪雨災害の影響で叡山電鉄の市原~鞍馬間が不通になっていたためこういう経路選択になったようです。烏丸北大路では30分近くバスを待つことになり、この影響で予定していたランチをパスする羽目になります。
ちょっと道がくねくねし始めたか…というころ合いに鞍馬に到着。そこはすでに鞍馬寺参道の石段の目の前でした。
鞍馬 最強パワースポットへの道のりは楽じゃなかった
なだらかな石段の先に仁王門。
この先がすぐにご本殿だと、思っていました。
が、しかーし!門を抜けて進んでいったお寺の受付で、ケーブルカーに乗るか、徒歩で本殿に進んでいくかと問われます。ここではじめてこのお寺のスケールの大きさを知りました。
規模が広いことに加え、傾斜がきついため、山門から多宝塔までケーブルカーが敷設されているんです。正直、貴船が本命、鞍馬はおまけ、と考えていたので(失礼)ここで引き返そうかと一瞬思考をめぐらします。
でもせめて『宇宙と繋がれるパワースポット』、と呼ばれる『金剛床』だけは行っておきたいと思い直しました。
『普明殿』、ここがケーブルカーの乗り場になっています。
ダイヤは15分おき程度だった??これは徒歩だとだいぶきついだろうな、という傾斜をおよそ1分半程度、乗車します。
ケーブルカーを降りてからもさらに難所だった…ここから左側に崖を見ながら歩き、階段をいくつも上り詰め…
しんどい、しんどい…(辛)
やっと御本殿・金堂にたどり着きます。受付で所要時間を伺った際は10分でしたが、もっと長い時間だったような気がします。
とにかく…健脚の方以外にはおすすめしません、ちょっとしたトレッキングのつもりで参拝されるのがよろしいかと心から思います。
途中何か所もベンチやお手洗いが設置されていました。
そして…
鞍馬山 三身一体の尊天信仰とは?
金堂前の金剛床!
参拝客はこの中心に立って天に向かって手を広げたり、御本殿を拝んだり、お祈りを捧げるために並んでいます。私も見様見真似で中心に立ってお祈りしてみました。
その昔、源義経が修行を積んだといわれるこの鞍馬寺。その中でもこの金剛床が最大のパワースポットといわれています。
鞍馬寺の起源は奈良時代の終わり、鑑真和上の弟子が毘沙門天をお祀りしたことが始まりだそうで、毘沙門天、千手観世音菩薩、護法魔王尊の三身を一体とし、尊天として信仰されているそうです。
尊天とは、宇宙エネルギーや宇宙生命のことを表し、森羅万象すべてのものにあらゆる神や仏が表されることがある、という教えだそうです。
そしてなんと、鞍馬寺の敷地はここで終わりではなく、さらに奥の院がこの先にー。
時間の節約と体力温存を図るため、入り口で辞退しました♬
後から知りましたが奥の院から貴船まではグーグルマップによればおよそ50m、徒歩1分。(ホントかな??)ハイキングコースにもなっているらしく、体力に自信がある森林浴を満喫したいという方には是非チャレンジしていただきたいと思います♬
幽玄の世界 平安の時を想う 貴船神社参り
そう、体力に満ち溢れ大きな荷物さえなければ鞍馬から歩いて貴船に移動することができると後から知りました。
コロコロを引っ張って歩いていた私はバスを乗り継いで貴船に移動、お参りを済ませてからランチを予定していましたが、叡山電鉄が不通のため移動で大きく時間を取られ、かつ歩き続ける体力見積もりはほぼゼロ。
今日はもう、15時にチェックインできる大原の旅館に一刻も早くついてのんびりしよう…。『鳥居茶屋』の鮎茶漬けはおあずけだ…。
実は京都でイチバン楽しみにしていたのが貴船神社。
SNSでよく見るこのライトアップされた参道の景色に憧れ、今回も夜景を撮影しに行くかいくまいか、旅程を練るときに散々、迷いました。旅仲間がいたら迷わなかったけれど、神社の夜は一人じゃやっぱり怖い。
13時過ぎに貴船口バス停に着いた時にはもうヘトヘト。バスの待ち時間にまたまたソフトクリームをドーピングしたにもかかわらず空腹でお腹がぐぅぐぅ。
ダメだ、さくっとお参りして宿に向かって温泉~…。と、ここで途方に暮れることになります。実は下調べでは駅のロッカーに大きな荷物を預けて散策する予定でしたが、バスで移動することになったため、周辺に荷物を預けられる施設がありません。
困っていると、バス停に隣接しているお菓子屋の出店の御主人が、ご厚意で荷物を見てくださることに。本当にありがとうございました!お礼にお菓子を買ってお昼ご飯にいただきました♬
うっかりお店の名前を確認するのを忘れ、レシートも残っていない…。
ふわふわぁ~な食感の麩まんじゅうととろけるような柔らかさのわらび餅、とっても美味しかったですよ!
貴船川のせせらぎを聞きながら歩いていくと憧れの参道♬
やっと訪れることができた、貴布禰総本宮 貴船神社。
貴船神社 水の神様の水占いがよく当たるそうです
主祭神は高龗神(たかおかみのかみ)、水の神様です。創建の年代は不明、1300年前には御社殿の造り替えがあったとの記述が残っていてかなり古くからあったと言われています。
ご利益は縁結び他、諸祈願の成就とされています。またその昔、雨ごいや雨止みの儀に馬を献上した慣習から『絵馬』を奉納する文化の発祥の地ともなったそうです。
貴船神社といえば『水占い』が有名だそうで、一見何も書いていない真っ白なおみくじを境内の御神水に浮かべると文字が表れる、というもの。
末吉。不本意な内容ではありますが、よく当たると言われているそうです…。
友人へのお土産にお守りなどを買いつつ、奥宮へ向かいます。
貴船神社 奥宮 こんなところ夜中に1人で歩ける?
総本宮からけっこう歩きます。
奥宮の御本殿・向かって左に祀られているのが『御船形石(ふながたいし』。総本宮の御祭神に加え、闇龗神(くらおかみのかみ)・玉依姫命(たまよりひめのみこと)もお祀りされている奥宮では、玉依姫が乗ってこられたという伝承のある船なのだそう。
古くから船乗りたちからの信仰を受けたといいます。
貴船といえばよく知られるのが『丑の刻参り』。
これは貴船神社の縁日が丑の日に由来するもので、『鉄輪(かなわ)』という謡曲で丑の刻参りが呪いの儀式として広まってしまったけれども、そもそもは心願成就を願う儀式であったとされています。
それにしても、こんな森の中を真夜中に1人でお参りをするなんて…。その情熱が目的を成しうるパワーの源、ということでしょうか。
貴船神社 縁結びで有名な結社
一般に、貴船神社は縁結びの霊験あらたか、といわれていますがこの結社(ゆいのやしろ)は日本屈指の縁結びの神様と言われています。
御祭神は磐長姫命(いわながひめのみこと)。美女で有名な木花咲夜姫(このはなさくやひめ)を妹に持ち、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)に妻として所望されなかった自分はこの地にとどまり、末永く世の人々の良縁を願う、と言われたことから縁結びの神として広まったらしいです。
謙虚で、応援したくなってしまう神様ですね♬愛おしい~
そんな磐長姫命の御料船として奉納されているのが『天の磐船』。貴船山から発見された珍しい形の岩を平成8年に奉納したものだそうです。
貴船神社 和泉式部の有名な和歌はここで生まれた
そしてあの和泉式部が足が遠のいていた夫との復縁を祈願し、願いが叶えられたという逸話でも有名。
《ものおもへば沢の蛍もわが身より あくがれいづる魂かとぞみる》
「あれこれと思い悩んでここまで来ますと、蛍が貴船川一面に飛んでいます。そのはかない光は、まるで自分の魂が体からぬけ出て飛んでいるようでございます」
こう詠んだ和泉式部に対し、貴船明神が返歌されたのが、
《おく山にたぎりて落つる滝つ瀬の 玉ちるばかりものな思ひそ》
「魂がぬけ出て飛び散り消えていく=死ぬかと思うほど、そんなに深く考えなさるなよ」
和泉式部の耳に男性の声でそう響いたそうです。
誰しも聞いたことのある、有名な和歌ですね。貴船明神優しい…。そして、雅だなぁ~♬
貴船 町並みがおしゃれ♬
こちらは料理屋さんや旅館など、お商売されているお店の佇まい。おしゃれ♬
こんなところに住んでみたい~、と思うものの、川も近いし実際にはいろいろご苦労があるのかもしれません。
次回はこの辺りでお宿を取ろうと思います!
私は詳しくないのですが、貴船は「少年陰陽師」というマンガの聖地だそうで、どうりで若い人たちの姿が多いな、と思ったものでした。
さて、この日の夜は9年連続でミシュランガイドに掲載されたというお宿『料理旅館 芹生』さんに宿泊です。
少し、長くなってしまったのでここで一旦区切りとし、改めて書いてみようと思います。
もしご興味を感じていただければ是非ご一読ください!
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