女性ホルモン様の作用が期待されるエクオール。
毎日の食事で賄えるといいですね。
ここでは食べ物からエクオールを摂取するには?
どんな食品にエクオールが含まれる?
こういった疑問を解決していきます。
エクオールと食品 大豆イソフラボン食品9選 毎日の食事でいきいき生活
エクオールとは
エクオールとは、大豆イソフラボンが腸内細菌によって変換され
作り出される女性ホルモン(エストロゲン)様の作用を持つ成分で、
ポリフェノールの一種です。
女性ホルモンのような作用を持つエクオールは、一般的に40歳を過ぎると
卵巣機能が衰え始めるといわれている”ゆらぎ世代”の女性のQOLを上げる強い味方です。
エクオールにはどのような効果があるのか詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
エクオールが含まれる食品とは
そんなエクオールを日常的な食事から効率的に摂取できたら嬉しいですね。
でも大豆イソフラボンと腸内細菌によって作られるエクオールは、
残念ながら食品から直接摂取することはできません。
エクオールの恩恵を受けるには、大豆イソフラボンを摂取して
腸内でエクオールに変換し、増やしていくしかないんです。
ということでエクオールを含む食品はありません。
また、腸内フローラを構成する腸内細菌の種類には一人ひとり個性があり、
腸内でエクオールを産生できる人とあまりできない人がいます。
エクオールをあまり増やすことができない人の対策は後述するとして、
ここではまず大豆イソフラボンが含まれる食品にはどのようなものがあるかを
含有量の多いものからご紹介していきます。
エクオールのもと 大豆イソフラボンが多く含まれる食品9選 + α
〇高野豆腐
高野豆腐は豆腐を凍らせてから乾燥させた食品です。凍り豆腐ともいわれます。高野豆腐(乾燥)には100gあたり88.5mgもの大豆イソフラボンが含まれています。また豊富なタンパク質の成分の中にはレジスタントプロテインが含まれていて、コレステロールの排出に有効とされています。さらにマンガンやカルシウムも多く含まれ、骨の生成や形成にも有効です。閉経後に骨がもろくなりやすい女性には力強い味方といえる食品です。
〇蒸し大豆
蒸し大豆は大豆を蒸したものです。大豆イソフラボンは水溶性なので、煮ると成分が溶け出してしまいますが蒸しているため丸ごと吸収でき、100gで70㎎の大豆イソフラボンが摂取できます。蒸してあるのでそのままサラダに混ぜたり、調理も簡単で手軽に大豆イソフラボンを摂取することができます。
〇大豆ミートまたはソイミート、ベジミート
大豆を原料とした大豆加工食品です。乾燥タイプ、そのまま食べられるタイプなどがあります。味・食感・栄養面ともお肉に引けを取らない植物性のお肉といえます。大豆イソフラボン、サポニン、レシチンが含まれます。製品によりますが大豆ミート70~80gで丸大豆100g分に相当し、大豆イソフラボン量は43~50㎎含まれます。
〇納豆
納豆1パックあたりに約37㎎の大豆イソフラボンが含まれます。大豆イソフラボンだけでなく、食物繊維も多く含まれ腸活や美肌効果も期待できます。またナットウキナーゼという納豆特有の成分には血流の改善が期待できるため、”ゆらぎ世代”の女性の多くが悩む「冷え」対策にも有効な食品です。さらにカルシウム、カルシウムの吸収をサポートするビタミンKも多く含まれ、骨粗鬆症予防にも有効です。
〇豆乳
ゆでた大豆をすり潰し、絞った時にできる豆乳はコップ1杯で約35㎎の大豆イソフラボンが摂取できる食品です。大豆イソフラボンのほか良質なタンパク質であるアミノ酸は血液や血管を作るもとになり、血流を改善する効果が見込めるサポニン、ビタミンE、ビタミンDも豊富です。
〇豆腐
豆腐は100gで25㎎の大豆イソフラボンが摂取できます。ただ豆乳を作る際におからと一緒に取り除かれるため意外に少なめになります。
〇おから
大豆を煮てすりつぶし、こしたものが豆乳、残りかすがおからになります。大豆イソフラボンは100gあたり15㎎含まれています。生おからはそのまま調理することもできますし、粉状になったおからパウダーをパン粉の代替えとして使うことで、大豆イソフラボン摂取量をプラスアルファすることができる食品です。
〇枝豆
枝豆は未成熟で青い状態の大豆です。枝豆に含まれる大豆イソフラボンは品種によって差がありますが、100gあたりおよそ30~40㎎になります。違う種類の豆と思われがちですが、枝豆からも十分に大豆イソフラボンを摂取することができます。
〇みそ
お味噌も大豆が原料の調味料です。味噌汁1杯分(10g)で約5㎎のイソフラボンが摂取できます。味噌汁などを食事の品数に足して、大豆イソフラボンをプラスアルファする補助的な役割で摂取したい食品です。
〇ゆば
ゆばは豆乳を熱した時にできる薄い膜をすくいあげた食品です。ゆばの大豆イソフラボンの成分値はありませんが、豆乳からできる食品という事で大豆イソフラボンの摂取ができることは想像できます。
大豆イソフラボンの安全な摂取量
女性ホルモンのような作用を持つ大豆イソフラボンは女性の強い味方となります。
ですが、どんな食品も同じですが摂り過ぎには気をつけましょう。
内閣府の機関である食品安全委員会では、大豆イソフラボンの摂り過ぎによって
更年期障害のような「ほてり」や子宮内膜症、乳がん発症・再発のリスクが示唆されています。
では大豆イソフラボンを摂取するには1日にどれくらいが適量なのでしょうか。
大豆イソフラボンは食品と補助食品・サプリメントとのトータルバランスに注意
食品安全委員会による2006年の報告では、
大豆イソフラボンの安全な1日の摂取量の上限は70~75mgとされています。
またそのうち特定保健用食品やサプリメントなどから摂取する量は上限を30㎎としています。
先述でご紹介した食品とは別に、特保食品やサプリメントも合わせて
大豆イソフラボンを摂取する場合は、1日の摂取量を超えないように
上手に組み合わせてください。
以下にこの記事を書くにあたって参考にした
食品安全委員会の報告書からの引用をご紹介しておきます。
厚生労働省から食品安全委員会に対し、食品健康影響評価が要請され、2006(平成 18)年に、大豆イソフラボンを関 与成分(主に有効と考えられる成分)とする特定保健用食品の食品健康影響評価(リスク評価)が終了しています。 日常の食事で大豆食品を摂取していることを前提として、それに加えて「特定保健用食品として、大豆イソフラボンを長 期・継続的に上乗せして摂取する場合」の安全性を評価しました。その結果、特定保健用食品としての大豆イソフラボンの 安全な 1 日上乗せ摂取量の上限値を 30mg と設定しました。 また、日本人の食生活における日常的な大豆イソフラボンの安全と考えられる 1 日摂取目安量の上限を 70 ~ 75mg/ 日と設定しました。 特定保健用食品としての安全な上乗せ 1 日摂取量について上限値を設定するにあたっては、日常の食事で大豆及び大豆 食品から摂取する大豆イソフラボンと特定保健用食品から摂取する大豆イソフラボンを合計した量が、概ねこの 1 日摂取 目安量の上限の範囲に収まることが望ましいとの考えのもとに、評価を行いました。 ただし、妊婦及び胎児、乳幼児、小児については科学的に十分なデータがないことなどから、大豆イソフラボンを特定保 健用食品として日常的な食生活に上乗せして摂取することは推奨できないとしました。 なお、特定保健用食品以外に、個別の健康食品として、大豆イソフラボンのサプリメントなどがあります。食品安全委員 会では健康食品については安全性の評価は行っていませんが、2015(平成 27)年 12 月に、「健康食品」に関するメッセー ジを公表しています[いわゆる「健康食品」について(43 ~ 46 頁)参照]。上記の考え方をご参考に、過剰な摂取とな らないようご注意ください
引用:食品安全委員会「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」ホームページより
エクオールを作れる人作れない人
ここまでエクオールのもととなる大豆イソフラボンを摂取できる食品と、
1日の適切な摂取量をご紹介してきました。
次に冒頭で先述した「エクオールを作り出せない人」のケースをご紹介します。
エクオールサプリメントを製造販売しているアドバンスドメディカルケア
(以下AMC)によると、ある研究の結果、日本人女性の3人にひとりしか
エクオールを産生する能力がないことがわかっています。
理由は腸内細菌のバランスです。
一人ひとり個性を持つ腸内フローラには、人によって大豆イソフラボンを
エクオールに変換するための腸内細菌を持っていないことがあるからです。
この場合、大豆イソフラボンを食事から積極的に摂取しても、
効率的にエクオールに変換することができていないということがあります。
ご自分の腸内フローラがどういったタイプであるかは、
エクオール検査を行うことで知ることができます。
エクオール検査について詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください。
エクオールを作れない体質の場合の解決策
エクオール産生能力を持っていない場合、エクオールの成分を
サプリメントで摂取することでエクオールを補うことができます。
また、エクオールのサプリメントを選ぶ際は、医師監修の製品を選ぶなど、
サプリメントの安全性には十分に注意をはらいましょう。
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