先日、紅葉を求めて訪れた等々力渓谷では思ったように木々が色づいておらず、今年はこのまま見逃してしまうかな…とあきらめていました。
2日ほど前、インスタでフォローしている方が九品仏浄真寺の紅葉写真をアップ。そうだ「紅葉といえば浄真寺」、というほど有名なのにうっかり忘れていました。
九品仏浄真寺 表参道
九品仏駅を降りて左手に歩くとすぐ九品仏浄真寺の表参道。
この辺りはまだそんなに色づいていませんね。
門をくぐると黄金に輝く銀杏の木々の間に真っ赤に色づく楓の木がちらほら。仁王門を彩っています。表参道から仁王門の手前まではまだまだこれから紅葉が深まっていくような、そんな伸びしろを感じます。
九品仏浄真寺 仁王門
「仁王門と赤い楓の木」そんなテーマで仁王門を仰ぐように写してみました。
その仁王門の左手にはかつてここに奥沢城が建っていたことを記す碑と楓。風情がありますね。
仁王門をくぐって境内に入ってみます。
九品仏浄真寺 境内
しばらくぶりに訪れた浄真寺は少し様子が変わっていました。境内に入ると右手に閻魔堂が新たに建てられており、その先には石庭のような様子に整えられた庭園が広がっていました。
木漏れ日をうまくとらえた、つもりの一枚。楓の木の赤が深いですね。
境内から仁王門を振り仰いでの一枚。黄緑、黄色、橙、赤、少しづつ違う色調の木々が重なり合ってカラフルなカラーパレットの出来上がり。
本堂を右手に見ながら九品仏のお堂へ向かいます。
九品仏浄真寺 中品
中品から時計の反対周りに廻ります。
九品仏中品堂。
浄土宗所依の経典である「観無量寿経」(かんむりょうじゅきょう)には、極楽に往生を願う人の性質や行業(行為)によって九種に分けられた往生人の階位について説明がされているそうです。
この階位に応じて往生のありさまや往生後の得益についても違いが生じるということです。
九種の階位とは、上品・中品・下品(
●中品上生
小乗の五戒や八戒斎などをたもち、五逆罪なども犯さず、これらの功徳を廻向して往生を願う人。この人の臨終には阿弥陀仏が來迎され、仏の教えをきいて蓮華台に乗って往生される。
ただちに蓮華が開き、四諦の教えをきいて阿羅漢の位に入って、八解脱の知恵を得るとされている。
*阿羅漢…小乗仏教で修業によって得られる四果の最高位で尊敬を受けるに値する人
●中品中生
小乗の一日一夜の八戒斎や沙弥戒や具足戒をたもち、身・口・意三業の威儀をまもり、これらの功徳を廻向して往生を願う人。
この人は臨終に阿弥陀仏の來迎をうけ、七宝蓮華に包まれて往生する。
そして七日を経てのち華が開き、教えをきいて須陀洹果(しゅだおんか)を得て半刧ののち阿羅漢を得るとされている。
* 須陀洹果…小乗仏教で得られる四果の初果
●中品下生
社会的善根たる五倫五常の道、いわゆる父母に孝養をつくし、世間の道徳をよく守り自費をほどこし、この功徳をもって往生を願う人。
この人は臨終にあたり善知識(正しく浄土に導く人)より極楽や阿弥陀仏の四十八顧などのことをきいて命終する。
そしてただちに浄土に往生し、観音・勢至の両菩薩より教えをきいて、一小刧(いちしょうこう)を経て阿羅漢の位に入るとされている。
*半刧・一小刧…きわめて長い時間の単位
上の記述はお堂に備えてあったパンフレットから転載させていただきました。漢字がムツカシー💡
読み方を調べるのに一苦労です。
上品・下品にも同様の説明があるのですが、追いおい、追記していくことにします。日が暮れてしまうので。
九品仏浄真寺 上品
こちらは上品です。上品堂の軒下から本堂を振り返ると、
この辺りは楓の木が多く、深紅の木々が重なり合っている様子が本当に美しい。そして下品に。
九品仏浄真寺 下品
下品堂の軒下から振り仰いで撮った一枚が渾身の紅葉画となりました。
グリーンとオレンジのコントラスト。なんてキレイなんでしょう。
逆光になった卒塔婆と紅葉の組み合わせもけっこう気に入っています。
しかしこうやって写真を見返していても、やはり現地で紅葉の中に身を置いて体感する木々の彩りの美しさに勝る感動はなし、と感じます。
九品仏浄真寺の紅葉は見頃を迎えています。お近くの方はぜひ。
また浄真寺が遠方の方でもどうかお近くの紅葉スポットに是非足を運んで自然の彩のパワーを受け取ってほしいと願います。
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