先日金沢を訪れる機会があり、自分へのお土産に「農口尚彦研究所 春のしぼりたて」を購入してみました。
農口尚彦研究所 春のしぼりたてとは
地方へ行った時には必ずその土地の美味しいお酒を買って帰ることにしています。
事前に調べておいた近江町市場の「酒の大沢」商店へ。地元の美味しいお酒を置いている、との口コミを見てお土産購入ルートとしてGoogle mapでポチしておきました。
酒の大沢さん、そんなに広くないんだけど棚にはお酒がびっしり並び、どれを選んだらいいのかまったくわからない。
同僚が接客で忙しそうなお店のご主人をやっとつかまえて、「発泡系で美味しいお酒ありませんか?」と尋ねている。そこに私ものっかることにしました。
発泡系の日本酒、私も好き。
でも大沢さんにはガスを足してつくったという発泡酒しかなく、「発泡系ではないけど、これはおすすめですよ」と教えてくださったのが「農口尚彦研究所 春のしぼりたて」でした。
だいぶご高齢の杜氏さんがつくっていらっしゃる、ということと、「春のしぼりたて」というくすぐりネーミングが響いてしまって同僚とおそろいで購入してみました。
1800㎖と720㎖がありましたが、720㎖でじゅうぶん。
なんかラベルも可愛いんですよね~。
発送することにしたので帰宅した翌日に届いてましたが、平日は日本酒は飲まないので1週間ほど冷蔵庫で保管、翌週末の晩酌でいただきました。
そういえば有名な杜氏さんらしいことを聞いたな、と調べてみると、2010年放送の「プロフェッショナル 仕事の流儀」にもご出演、農口さんは「日本酒の神」と呼ばれていた日本酒づくりの最高峰の杜氏さんでした!
酒の大沢さんナイス!
「農口尚彦研究所」とは、石川県小松市にある酒造メーカーで、現代の名工として表彰された経歴もお持ちの農口尚彦(のぐちなおひこ)さんが杜氏を務める酒蔵でした。
「春のしぼりたて おりがらみ」は、春に桜の花びらが舞うような、薄く濁ったおりがらみに仕上げた季節限定品、だそうです。
公式サイトではこんな風に花びらを浮かべてましたね~。
ちなみにおりがらみとは、もろみをしぼった後の「おり」をろ過せずにそのまま出荷したお酒のことで、一般的な日本酒とはひと味違うそうです。
このお酒は「春のしぼりたて おりがらみ」なので、”一度も火入れがされずに出荷された生酒で無ろ過”、ということになるのでしょうか?
いろんな酒屋さんのサイトを調べていると、「表記上は火入れとなっているが、大部分は火入れされていないので必ず冷蔵で保管してください」とありました。
お米は小松市で栽培されている「五百万石」というお米を100%使っているそうです。
春のしぼりたて、は洋ナシの香りがしました その味は?
愛用している能作のタンブラーにうつしてみました。ほんのり濁っています。
味を語れるほど日本酒を飲んでいないんですけど、フルーツのようないい香り。
絶対に口コミを見ないで自分の舌で味を確かめるんだ!と数分ちびちびやりました…。
やっとひらめいたのが「洋ナシの香り?!」。
ということで答え合わせをしにネット検索、農口尚彦研究所のwebサイトを開くと、「今年の春のしぼりたては、メロン、洋梨を連想させるような香りが楽しめます」と!
香りは洋ナシです、間違いなく。そして言われてみれば口に含んだ時にシュワッと感じるのはメロンを食べた時の感覚に似ています。香りは甘いフルーツを想像させますが味は甘くない、後味すっきり。
少しとろみもあって、さすが!美味しいお酒でした。
150㎖のタンブラー1杯だけ、ちびちび飲んでたつもりですが、ものすごく酔いがまわりました。
後で気づいたんですけど「春のしぼりたて」は、アルコール度数が19度。一般的な日本酒が15~16度だそうなので、気づかずにぐいぐいいっちゃうとタイヘンです、気をつけましょう。
杜氏 農口尚彦さんとは
ウィキペディアで拾った情報ですが、農口尚彦さんは1932年生まれ。御年89歳です。
各種ある日本酒の製法のうち、吟醸酒ブームや山廃仕込みの復活の立役者、とのこと。ご本人は杜氏でありながらお酒が飲めず、盃1杯で顔が真っ赤になるそうです。
引退と現役復帰を繰り返し、「引退をあきらめた」そうです。でもそのおかげでこうして美味しいお酒をいただくことができました。こういってはなんですが…ご存命中に「春のしぼりたて」に出会えて幸運でした。
農口さんには女性杜氏のお弟子さんがいるらしく、その「藤田晶子さん」のお酒もいずれいただいてみたいものです。
*吟醸酒
米を重量にして4割以上(精米歩合60%以下に)削った白米を原料に用い、低温で長期間発酵させる。
フレッシュで華やかな味わいを特徴とする日本酒。すっきりした淡麗な味わいで、のどごしはなめらか。
*山廃仕込み
生酛(きもと)系酵母から造られた生酛造りの派生で乳酸菌を一から育成する流れをたどる。
生酛ならではの複雑な味わいや香味が特徴。
SAKE TIMES 夢や情熱をもった若者とともに──現代の名工・農口尚彦杜氏が、再び酒造りの最前線へ
TASTING ROOM 杜庵
石川県小松市には、農口尚彦杜氏のお酒がテイスティングできる「TASTING ROOM 杜庵」なるお店があるらしく、完全予約制で数種のお酒と酒肴が味わえるそうです。
小松市は裏千家にゆかりがあるらしく、茶室をイメージさせる空間でお酒が試飲できるようです。
小松空港からタクシーで30分程だそう。こちらも行ってみたいなぁ。
冷酒に合う酒器
少し余談になりますが、お気に入りの酒器をご紹介させてください。
日本酒をいただくときは、友人からの贈り物の「能作」のタンブラーをつかいます。
株式会社能作がある地、富山県高岡市は加賀藩二代目当主・前田利長公が開いた高岡城の城下町です。利長公は産業を発展させるべく、近郷から鋳物師を集め高岡を発展させました。高岡は400年経った現在も鋳物産業で国内トップのシェアを誇ります。
能作は高岡の地で仏像制作で鋳造技術を磨き、現在ではデザイン性の高いテーブルウェアが人気に。
錫100%でつくられたタンブラーはお酒の味がまろやかになるといわれ、能作では特に酒器が人気です。
お酒を注ぐ前に少し冷蔵庫で冷やしておくと、お酒がキンキンに冷たくなる。
そしてぬるくなりにくい気がするので冷酒を飲むのにおすすめです。
美味しいお酒には必要ないかもしれませんが、ほどほどのお酒も美味しく味わえる気がします。
いつかこの片口とぐい吞み↑を買おうと目論んでいます^^
農口尚彦研究所 口コミ
インスタ投稿でも「春のしぼりたて」を見つけました!
やはり北陸のお酒、海鮮に合うんですね。
私も真似してみようと思います!
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