2023年以来、デニムのシルエットのトレンドが完全に変化しました。
不変の定番と思われていたスリムやちょっとゆるみのあるボーイフレンドフィット(細身テーパード)から、完全にルーズ感のあるワイド系へチェンジ!
しかもレングス(股下)もいままでのジャスト~アンクル丈からズルズル系の長めへ。
長年セレクトショップのバイヤーとして、またデニムをデザインする側として、ジーンズに携わってきた50代のわたしがおすすめする「今デニムを新たに買うならこのフィット!」をご紹介します。
後半では、似合うフィット、サイズ、股上などの選び方、洗濯方法など、デニムに関するQ&Aもまとめています。
なお、この記事には一部広告が含まれていますので、ご了承ください。
2024年にデニムをアップデートするならこのスタイル!
ということで、先述した通り、デニムのシルエットはスリム系からワイド系へ華麗なる変身をとげたのですが、そのきっかけはやはり90年代から2000年代初頭のファッションをベースにした「Y2Kファッション」のトレンドが根底にあるようです。
RED CARD | Dakota スーパールーズストレートデニム
いま売れているルーズフィットデニムの筆頭はこれ、RED CARDのDakota。
綿100%でありながら、柔らかさと軽さを兼ね備えた素材。
ルーズなシルエットだけど、ウエストはカーブベルトという立体的なパターンになっていてフィットする作りになっているから、ずるずる落ちてくる不快感もなし、というスタイリストの大草直子さんもおすすめの1本。
トレンドの腰ばきスタイル見え、だけどしっかり腰回りをカバする新しいフィット。
RED CARDのDakotaは集英社のHappy Plus StoreやAmazonで購入できます。
RED CARD Tokyo “Dakota” /HAPPY-PLUS-STORERED CARD | Mnoa ウエストゴム ワイドストレートデニム
昨今の厳しい夏。真夏にジーンズはちょっと暑そう…
と敬遠する方も多いと思いますが、ウエストがゴム仕様になった軽快なデニムManoaなら、猛暑も快適に過ごせます。
コットンにポリエステルが入った素材は、薄くて軽く、通気性もよく、日本の湿度の高い夏にぴったり。
女優の石橋静香さんが同素材のシリーズも人気上昇中。要チェックです。
RED CARDのManoaは集英社のHappy Plus StoreやAmazonで購入できます。
RED CARD Tokyo “Manoa” /HAPPY-PLUS-STOREYANUK | JOAN ルーズストレート
次にご紹介するのはYANUKのJOANというモデル。
先ほどのRED CARDは裾にかけて細くなるテーパードシルエットだけど、こちらはズドン!とワイドなシルエットのストレート。
メンズの太めジーンズを女性がはきこなすイメージだそう。
でもウエストはきゅっとしまって股上深め、スタイルアップ効果抜群の1本です。
テーパードかワイドかは、お好み次第だけど、裾のもたつきが気にならないのはテーパードタイプ。
例えば通勤で自転車にのる、とか何かと活動的に動くタイプのアクティブ派にはテーパードがおすすめ。
YANUKのJoanはELLE ShopやAmazonで購入できます。
YANUK ルーズストレート【JOAN】 (フィジーヴィンテージブルー, 26) ヤヌーク ELLE SHOPMAISON SPECIAL | ハイウエストコクーンデニム
お手頃価格のものもご紹介しておきましょう。
メゾンスペシャルのカーヴィーなモデルは、前あきがちょっと変形しているデザインデニム。
素材は程よく肉厚感のあるコットン100%で仕立ててあります。
他人と被りたくない、個性を出したい、派手なものが好き!というタイプの方におすすめ。
メゾンスペシャルのジーンズはELLE Shopで購入できます。
MAISON SPECIAL ハイウエストコクーンデニム (BLU(ブルー), 36) メゾンスペシャル ELLE SHOPMaison Margiela | スラッシュディテールデニムパンツ
こちらもファッショニスタにロングセラーしているメゾンマルジェラのカットアウトデニム。
わたしの周りのおしゃれなセンパイはみーんな持ってます。
ホールが空いてるジーンズは、夏場におすすめ。風が通って涼しさが全然違います笑
ワンランク上のカジュアルコーデを目指すならぜひチャレンジしてみてください。
ダメージデニムはハードルが高い…でも挑戦してみたい!という方には、こういう誰もが認めるブランドの1本を持っていると自信をもってはけますよ!
マルジェラのジーンズはELLE ShopやAmazonで購入できます。
Maison Margiela スラッシュディテールデニムパンツ (ブルー, 38) メゾン マルジェラ ELLE SHOPワイドでルーズなデニムの着こなし方は?
ところで、こういうリラックス感のあるデニム、みんなはどういうスタイリングで着こなしているんでしょう??
インスタから”#ルーズデニム”で集めてみました。
以上、ルーズなシルエットのおすすめデニムのご紹介でした。
デニムQ&A
ここからは、ジーンズ・デニムパンツについての疑問をひも解いていきます。
デニムとジーンズの違い
私たちはデニムと呼んだり、ジーンズと呼んだり、人によって呼び方が異なりますが、違いはあるのでしょうか?
実はデニムとは、主に綿を用いて斜めに織った「綾織り」の生地のことを指し、ジーンズとはデニム生地を用いて作られたパンツのことを指します。
ですが、今やデニムという呼び方でもジーンズを指し示すように一般的には受け入れられています。
すでに広く知られるようになったことですが、「デニム」の語源はフランス語のSerge de nimes(セルジュ・ドゥ・ニーム)からきているとされていて、ニーム地方が織物の生産地として栄えていたことが由来している、とされています。
デニム生地の特徴
デニム生地は、主に綿を使った糸を斜めに織りあげた布地で、丈夫さが特徴です。
通常は青色・インディゴ色が主流です。
インディゴは、藍という天然植物をもとに、青い成分を抽出したもので、藍で染めたものは摩擦や水で色落ちしやすいという特徴があり、その独特の風合いが好まれ、デニム製品に用いられてきました。
ですが、最近のデニム染料は、化学合成されたものが一般的となっています。
インディゴ・藍でも化学染料でも、経年変化して色落ちしていく様を楽しむことができるのがデニム製品の特長です。
デニムのデザインバリエーション
ひと口にデニムパンツといってもそのデザインは様々です。
ですが、やはりベースになるデザインというのはあって、たいていのデザインは、両脇ポケットにコインポケット、お尻の左右、に計・5つのポケットがついた「ファイブポケット」といわれる形が一般的です。
リーバイスの501などを思い浮かべるとイメージしやすいと思います。
フィットも様々
また、デニムパンツのシルエットも様々です。
テーパード
パンツの脚の部分が裾にかけて細くなっていくシルエットを、「テーパード」といいます。
裾さばきが良いので、アクティブに動きたいシーンでは、おすすめのシルエットです。
ストレート
パンツの脚の部分が裾にかけてまっすぐ下に落ちていくシルエットを「ストレート」といいます。
さらに、ひと口にストレートといっても細身、ルーズ、ワイドなど、脚の部分の太さによって「スリムストレート」、「ルーズストレート」、「ワイドストレート」などと表現され、シルエットとスリム・ワイドを掛け合わせると、そのシルエットの種類は千差万別となっていきます。
フレア
パンツの脚の部分が裾にかけて広がっているシルエットを「フレア」といいます。
シューズの幅に合わせて裾が広げられた「ブーツカット」もフレアの一種です。
足元を強調するため、一般的に足長に見えるシルエットがフレアタイプのパンツの持ち味です。
デザインも様々
デニムパンツの王道は、先ほども触れた「ファイブポケット」ですが、実はデザインも様々です。
胸当てがついたオーバーオール、カーペンター(大工)が仕事道具を引っかけるフックがついたペインターパンツ、ベーカリーの作業着が由来で大きなポケットが特徴のベイカーパンツ、アーミースタイルのカーゴパンツなど、デザイン要素の強いものもいろいろあります。
ですが、もしまだあまりデニムパンツになじみがなく、定番的な一本が欲しい、と思っているなら、オーソドックスなファイブポケットパンツからスタートするとよいでしょう。
デニム生地の種類
デニムの生地は大きく分けて綿100%のタイプと、綿にポリウレタンをミックスしたストレッチ性のあるタイプとに分けられます。
綿100%のデニム生地の良さは、デニムらしい重量感と、穿きこむごとに自分の体になじむところにあります。
綿100%生地は、従来、重量感のある生地が大半でしたが、最近では軽さも兼ね備えた素材も開発され、デニムらしさと快適なはき心地が両立するタイプの素材も多くなっています。
一方、ストレッチ生地の良さは、体の動きにフィットする快適さです。
ご自分がどういうシーンでデニムをはくのかを踏まえ、目的に合った生地で選ぶと失敗が少ないといえます。
似合うデニムの選び方
デニムのシルエットによって、ご自分のスタイルの良さを強調したり、カバーすることができます。
股上選び
デニム選びで重要なポイントのひとつに「股上の深さ」が挙げられます。
パンツをはいた時のウエストがどの位置に来るか、ということですが、大まかに分けると、「ローライズ」、「ミッドライズ」、「ハイライズ」の3種類があります。
ローライズは、はきこんだ時の股上が浅く、2000年代初頭のインポートジーンズ全盛時代には、このローライズが主流でした。
ウエスト位置が低く、座った時に下っ腹が乗っかるようであれば、それはローライズ。
お腹の締め付け感が弱いため、ローライズを好む方もいます。
ミッドライズは字のごとく中間の高さの股上で、ほぼジャストウエストではくことができます。
またハイライズは文字どおり股上が深く、ウエスト位置が高い位置にくるので、脚を長く、スタイルをよく見せることが叶います。
骨格診断別 似合うデニムパンツの選び方
骨格診断別に、デニムパンツの似合うフィット・似合わないフィットをおおまかに見極めることもできます。
<骨格診断|ストレート>
骨格診断でストレートの方は、太いタイプが苦手とされています。
おすすめされているのは、太すぎないストレート、太すぎないテーパード、ほんのりフレアが似合うとされています。
ウエスト位置はジャストがおすすめ、丈はくるぶしが隠れるくらいの普通丈がベストとされています。
<骨格診断|ウエーブ>
骨格診断でウェーブの方は、スキニー、細身のテーパード、細身のフレアが似合うとされています。
ウエスト位置はハイウエストがおすすめで、丈はくるぶしより上のクロップド丈がベストとされています。
余談ですが、私自身はウェーブに分類されます。脚を長く見せたいがためにハイウエストのものを選んでいましたが、骨格的にハイウエストが体に合っているため、自然に選んでいたんだな、と思いました。
<骨格診断|ナチュラル>
骨格診断でナチュラルの方は、太めのストレート、太めのテーパード、太めのフレア、ワイドが似合うとされています。
ウエスト位置はおおむねどの位置でもOK。丈は長い方が、似合うとされています。
リーバイスの公式サイトでは、骨格診断でご自分の骨格タイプを知ることができます。
さらに、似合うシルエット、似合うカラー、似合う生地感などもアドバイスされているのでデニム選びがラクになります。
ぜひ参考にしてみてください。
サイズの選び方
デニムパンツを購入する際、悩むのがサイズです。
デニムパンツは一般的なサイズ表記で表される事が少なく、インチで細かくサイズピッチが分かれていることが多いです。
インチとは、イギリスやアメリカを含む一部の国で用いられる長さの単位で、1インチは25.4ミリメートルに相当します。
また、このインチサイズ表示は、ブランド・メーカーによって採用しているスペックが異なり、例えば25インチと表示されていても、ブランドによって大きさが異なることがあります。
なので、試着ができる際は自分のサイズとおぼしきサイズと合わせて前後のサイズ、計3着程度をはき比べてみることをおすすめします。
そうすることで、ご自分がぴったりとはきたい場合、ゆったりとはきたい場合など、目的に合ったサイズ感で選ぶことができます。
店頭で購入する際は、はき比べが叶いますが、いよいよ迷うのがネットで購入する場合です。
多くのショップでは、ウエスト・ヒップ・渡り・裾巾・股下などのスペックが商品情報として掲載されています。
サイズ選びの目安にしたいのは、このうちウエスト・ヒップ・渡り、の部分です。
ウエストとヒップはもちろんですが、デニムパンツを選ぶうえで把握しておいた方がいい箇所は、「渡り=太ももの付け根の周囲」のご自分のサイズです。
デニムパンツは、シルエットの種類が多いため、太もも部分が細身に作られているモデルも多く存在します。
そういったモデルを選ぶ場合、目安になるのが”渡り”のサイズになります。
日本のブランドの場合は、これらのスペックはセンチメートルで表記されています。
一度、ご自分の太ももの付け根を測っておくと、デニムパンツのサイズ選びで迷うことが少なくなるはずです。
デニムの洗濯方法
お気に入りのデニムパンツを購入したところで、風合いを長く保つための洗濯方法をまとめておきます。
デニムが広く普及し始めた昭和の時代、その色合いや風合いを保つため、デニムは絶対に洗ってはいけない、と言われていました。
確かにデッドストック物や、古着など、”コレクション”として購入した場合、これは当てはまるかもしれませんが、日常的に着用しているデニムパンツは衛生的に保つため、定期的に洗濯をしましょう。
ポイントとしては、
・ボタン・ジッパーをとめ、裏返す
・ネットに入れるとベスト
・中性洗剤を使用し、単品洗い
このようにすることで、付属品で洗濯層の内側を傷つけることなく、色落ち、他の衣服への色移りを抑えながら、買った時の色合いや風合いを長く保つことができます。
さらに色落ちを抑制するためには、洗濯機能の「弱流水コース」や「おしゃれ着洗い」のコースを選択。
干す時には筒状にして日陰に吊るし干し、を行うと、よりデニムパンツのカラーとシルエットを長く保つことができます。
そして念のため、洗濯表示を事前に確認しましょう。
一般的なデニムパンツはほぼ、家庭用洗濯機で洗濯できてしまいます。
ですが、ファッション要素が強いデニムの場合、指定された洗濯方法がある場合があります。
お気に入りの1着を長く愛用するためにも、初めて洗濯する際は必ず目を通しておきましょう。
ちなみに、柔軟剤は使っても使わなくても、どっちでもいい、とされています。
デニムの洗濯方法について詳しく解説された記事を見つけたので、リンクを貼っておきます。
またデニム素材専用の洗剤なども発売されているのでご紹介しておきます。
J washer デニムウォッシュは、無香料・無着色、蛍光増白剤フリーで、デニム製品以外にも色の濃いおしゃれ着洗いに使える洗濯洗剤です。
ナノコロイドは、シトラスもしくはフローラルの香りが選べる、デニムの洗濯洗剤。1カ月に100点売れているベストセラー商品です。
Kireimore デニムウォッシュはデニム、濃色衣料用の色褪せ防止洗剤。600ml入りで、およそお洗濯120回分の容量があります。
日常生活でのデニム製品の取り扱い注意事項
ここまで述べてきたように、デニム製品は長く使うことで、その色合いが変化する表情を楽しめる、という一面も持っています。
ということは、「色移りがしやすい」と言い換えることもできます。
特に高温多湿な天候の時、デニムパンツをはいて、白いバッグを持って歩く、などすると摩擦が起こり、白いバッグにデニムの色が移ってしまうようなことも起こります。
近年、デニムの色落ち・色移りを抑制する加工を施した商品も発売されていますが、たいていの商品はそういった加工が施されていません。
特に色止め加工のようなメリットがうたわれた商品でなければ、注意をしたほうがいいでしょう。
ここまで2024年に買うならおすすめのデニムパンツ、デニム・ジーンズについてのQ&Aをご紹介しました。
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