大豆イソフラボンが腸内細菌で代謝されると女性ホルモン・エストロゲンと同じ働きをする物質に変化します。
これがエクオールです。
女性の更年期症状、更年期障害を緩和してくれる成分としてよく知られていますが、エクオールにはその他にも女性の体に嬉しい作用があることをご存知ですか?
そのうちのひとつが骨を丈夫にしてくれること!
エクオールは閉経後、骨がもろくなりやすい時期に、骨の成長を助け、骨粗鬆症などの病気から守ってくれる働きもあるんですよ。
今回はエクオールがどうして骨粗鬆症に有効なのかをご紹介しています。
女性の骨粗鬆症の原因にはエストロゲンの急激な減少が関係している
骨粗鬆症とは骨強度(骨の強さ)・骨密度が低下して、骨折しやすい状態になってしまうことです。
ではどうしてそんなに骨がもろくなってしまうのでしょうか?
厚生労働省によれば、骨粗鬆症の危険因子として、
□加齢
□性(女性)
□人種
□家族歴
□遅い初潮
□早期閉経
□過去の骨折
これらが骨粗鬆症の危険因子として挙げられるとしています。
骨量は成長期に増加し、20歳ごろピークに達し、その後安定的に推移し、加齢に伴い減少していきます。
特に女性は閉経に伴い骨量が減少していきやすいといわれています。
なんで女性が?
実は女性ホルモンであるエストロゲンは、骨形成を進めながら骨吸収を抑える役割も果たしています。
骨吸収とは、骨を溶かし血中にカルシウムやコラーゲンを増やすことで、骨の新陳代謝の一環です。
閉経を迎えてエストロゲンが急激に減少していくと、骨吸収に対して骨形成が追いつかなくなるため、骨強度・骨密度が低下していくのです。
厚生労働省のサイトでは、骨粗鬆症の危険因子には加齢などの除去できないものと、食事や運動など生活習慣を見直せば除去できるものがある、としています。
加齢は抗えないものですが、食生活や運動など、生活習慣の見直しで危険因子を排除できればいいですね。
さらにエストロゲンの減少をゆるやかに整えるサプリメントがあれば、骨がもろくなる世代の女性たちの強い味方となりますね。
次の項目では、ミドルエイジの女性たちの強い味方となりうるサプリ、エクオールの骨粗鬆症予防の有効性をご紹介します。
以下、参考にした厚生労働省「骨粗鬆症の予防のための食生活」を参考リンクとしてご紹介しておきます。
骨粗鬆症の予防と改善にはエストロゲン作用を持つエクオールが有効
エストロゲンの急激な減少が要因となることが多いため、骨粗鬆症患者の9割は女性だそうです。
閉経以降の女性は男性よりもエストロゲンが減少するそうです。
これは驚きの事実ですよね!
閉経後のエストロゲンの急激な減少が、女性の骨をもろくして骨粗鬆症になりやすい原因となるんですね。
特に閉経直後から年に2%ずつ、10年間で20%の骨密度が減少するといわれていますから、この時期の食生活には特に気をつけなければいけません。
骨の健康のためにはカルシウムの摂取が重要であることは良く知られていますが、さらにエストロゲン作用を持つエクオールを補えば、急激な骨強度・骨密度の低下を抑えられ、骨粗鬆症の発症リスクを低減することができます。
NPO法人「女性の健康とメノポーズ協会」が発行する「エクオールと女性の健康」という冊子には、エクオールを摂ることで骨密度の減少を抑えるという研究データが報告されています。
ご紹介してみましょう。
特に気をつけたいのは閉経後の5年間!
上の表には平均的な閉経年齢である50歳を過ぎると、急激に骨密度が低下していく様子が表されています。
閉経からおよそ5年間に渡っては、特に骨密度の減少率が高まっています。
エクオールを摂った人と摂らなかった人の骨密度の差
こちらの表では、エクオールを摂った人とプラセボ(偽薬)を摂った人との骨密度の減少量が表されています。
エクオールを摂った人では骨密度の減少率が約半分に抑えられ、プラセボのおよそ2倍となっています。
エストロゲンと同様の働きをするエクオールで、骨密度の低下を抑えられた、ということがよくわかりますね。
エクオールを摂った期間は1年間。エクオール10㎎を飲み続けた人の骨密度の低下は1.1%に抑えられ、摂らなかった人の骨密度低下は1.9%にまで達していました。
骨粗鬆症を予防するために心がけたいこと
ここでは骨粗鬆症を予防するために心がけたい生活習慣をご紹介します。
骨粗鬆症を予防する食生活
まず食生活では、カルシウムを多く含む食品を意識的に取り入れたいですね。
牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品、骨ごと食べられる小魚、豆腐や納豆などの大豆製品、野菜なら小松菜・春菊・チンゲン菜がカルシウムが豊富です。
そしてカルシウムと一緒に摂ると効果的なのがビタミンDやアミノ酸。
ビタミンDは腸で活性型ビタミンDにカタチを変え、カルシウムの吸収を促進、アミノ酸も腸内でカルシウムの吸収を促進する働きをします。
ビタミンDを多く含む食品は、キクラゲ・かつお・あんこうの肝など。
アミノ酸を多く含む食品は、肉や魚、卵・乳製品・大豆製品など、たんぱく質を多く含む素材です。
骨粗鬆症を予防する運動
食事でカルシウムの摂取をこころがけたら、骨に刺激を与える運動をして、骨形成を促しましょう。
骨に物理的な刺激が加わると、その振動で微量な電流が骨に伝わり、強さが増すといわれています。
筋トレに励むのもいいですし、ウォーキングでも十分に効果が得られます。歩ける距離なら、車を使わずに歩く!など、意識的に運動するといいですね。
外出が困難であれば、室内でつま先立ちをし、かかとをコンコンと床に落とす。これを数分繰り返すだけでも骨に刺激を与えることができ、骨強度・骨密度のアップにつなげることができます。
骨粗鬆症を予防する日光浴
日光浴をすると、カルシウムの吸収を促進するビタミンDが生成されて骨粗鬆症予防に効果的です。
日焼けが気になるところですが、手のひらを1日15分~20分程度、太陽に向けるだけでもいいんですよ。頻度は1日おきくらいで十分です。
顔や首すじなど、日焼けから守りたい部分は日焼け止めでケアして、手のひら日光浴でカルシウムの吸収・促進をサポートしましょう。
骨粗鬆症予防のために避けたい生活習慣
□極端な食事制限
先述しているとおり、骨粗鬆症を予防するにはバランスのいい食生活が大切です。過度なダイエットにより、栄養バランスが崩れてしまっては他の病気も引き起こしかねません。
極端な食事制限はやめましょう。
□塩分の摂り過ぎ
体内に塩分が多くなると、塩分が尿と一緒に排泄されます。この時カルシウムの排泄量も高まってしまうため、塩分の摂り過ぎは骨粗鬆症のリスクになるといわれています。
すでに骨粗鬆症を発症していると、高血圧がさらに骨をもろくし骨折のリスクが高まるともいわれています。
塩分の摂り過ぎは控えましょう。
□喫煙
タバコに含まれるニコチンは、体の血流を妨げます。血流が悪くなると胃腸の働きが抑えられ、食欲が低下しカルシウムの吸収が低下します。
また骨を守る役割を果たすエストロゲンの働きを邪魔して骨粗鬆症発症リスクを高めます。
喫煙をやめられない場合には、エクオールを摂取することで、エストロゲン作用を補うことができる、ともいえるかもしれません。
□過度の飲酒
研究によれば、1日に2杯以上のアルコールで男女ともに、骨粗鬆症のリスクが高まるとされています。
アルコールが骨の生育に関わる骨芽細胞に悪影響を及ぼすことが原因とされています。
骨粗鬆症患者が1日4杯以上のアルコール摂取で、骨折リスクは2倍に高まる、といわれています。
□コーヒーの飲みすぎ
多量のコーヒーを摂取すると、骨粗鬆症のリスクが高まるといわれています。
カフェインを多量に摂取させる研究において、1日800㎎以上のカフェインを摂取すると尿中のカルシウムの量が増加した、といいます。
これはカフェイン過多の影響で体内からカルシウムが流れ出していることを意味していて、コーヒーに限らず、カフェインを含むエナジードリンクの飲みすぎにも注意が必要です。
【エクオールサプリの効果】骨粗鬆症対策に有効!エストロゲン作用で骨を丈夫に!まとめ
なぜ骨粗鬆症になるのか?なぜ閉経後の女性が骨粗鬆症になりやすいのか?
おわかりいただけましたでしょうか?
最後にこの記事のまとめです。
✓エストロゲンは骨の形成・新陳代謝をになう大切なホルモンである
✓閉経後の女性はエストロゲンの急激な減少により、男性よりも骨粗鬆症になるリスクが高い
特に閉経後の5年間は骨密度の減少率が高まるため注意が必要
✓エクオールはエストロゲン作用で骨粗鬆症リスクを下げる
エクオールは更年期症状、障害をやわらげるためのサプリと思われがちです。
もちろん女性の不定愁訴をやわらげるために有効であるのは間違いありませんが、閉経後の骨粗鬆症のリスクを下げるためにもエストロゲンは大切な役割を果たしています。
いつまでも若々しく健康でいたい女性の、強い味方であることを忘れないでくださいね。
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